逃亡者⑩

ケガした翌日からエリちゃんとまるで連絡が取れなくなった。メールも電話も音沙汰無し。

原因はケガのことぐらいしか思いつかなかった。

しかしそうなるとほぼ強制的な禁欲生活を強いられた身体がムラつくのを抑えられるわけもなく、バイト先の先輩と仲良くなってみたり、学校の後輩に手を出したりかなちゃんとみくちゃんを交互に召喚したりした。もちろんエリちゃんのことをいちいち探られるのが面倒なので「その話をしたらその場で帰ってもらう」という条件を付けて。

 

そんなこんなで更に半月以上が経過…

 

そしていつも通りに学校を終えバイトに向かっている時にエリちゃんからメールが届いた。

「今日バイトだよね?終わったら教えて」と。

赤ちゃんは何故その日がバイトであることをエリちゃんが知ってるのか謎であった。しかしとりあえず連絡取れたのでok牧場。バイト先に到着し、着替えていると先輩から「◯◯君あーゆう感じの子タイプだったんだ?😑」と一言。

どうやらエリちゃんがバイト先に訪れていたようだ。

そりゃその日に出勤するかわかるわな!と納得。(先輩には私で遊んだんだからと、向こう3ヶ月間出勤日にはジュースを奢るハメになった」

 

 

逃亡者⑨

大至急、残された2人の元へ。そして家へ。

するとちょうど母親がガレージにいた

血だらけの息子と彼女が2人、新顔の金髪が1人。その状況を見て事情は把握出来てないが彼女達にはとりあえず救急病院に連れて行くから帰るように言っていた。2人は今はここに居ても仕方ないと納得して帰ったが

エリちゃんは「私に責任があるので一緒に病院に行かせてください!」と言って譲らなかった。

病院で治療を受けている時もエリちゃんは赤ちゃんの側を離れず、ひたすら「ホントにゴメンね。」と繰り返し言い続けていた。たぶん100回近くは言っていたと思う。病院の代金も母親を無理矢理押し退けてエリちゃんが払っていた。

病院から帰宅し、エリちゃんと母親が軽く話をして解散。その時点でもうかなり遅い時間だった記憶がある。疲れ切って部屋に戻ろうとする直前で「あんた、あっちこっちで毎日毎日女遊びしてるからこんなことになるんだよ。いい加減にしなさい。」と注意された。

だがしかしこれはマベストで言えばキャップサムのフリーダムフライトである。目の前に女の子がいれば入るほど女遊びはどんどん加速していくのだ。 

それから数日は顔面が回復するまで学校とバイトのみの生活を送っていた。もちろんそれじゃ気が狂いそうだったし、危なく夢精するところだった。

逃亡者⑧

赤ちゃん「あんな、なんか話ごちゃついてるから片方ずつ話聞くわ。まずエリちゃんいい?」

 

※片方ずつ説得すれば大体なんとかなるって赤ちゃん知ってんだ(^-^)

 

公園の中にあるちっちゃい山の向こうへ移動を促す。

そして山の影に入った瞬間、後ろから

「とりあえず1発殴って良い?」とエリちゃんが言う。

赤ちゃんが「え?」と言いながら振り返った瞬間エリちゃんの拳が顔面に直撃。

エリちゃんとの身長差からクリーンヒットしたわけじゃないが、赤ちゃん完全に不意を突かれた形。

そして「ヒドイよ!」と一言。

目には涙を浮かべている。

赤ちゃんも痛くてちょっと涙を浮かべていたかもしれん。これで一緒、おあいこだね?

しかし不意にエリちゃんの眉間にシワが寄る。

それと同時に赤ちゃん顔面に違和感。

顔面中央左側に何かがつたうような感じ。

涙か? 待て。泣いてないぞ。男だもん!

まぶたにも何かがつたってっている感触がするし。

人間、まぶたの上から涙出ないし。

赤ちゃん「ん?なんだ?」と一瞬混乱。

視界がかるくぼやける

急いで触ってみると手が血だらけになった。

まるで人でも殺したような血の量である。

エリ「ヤバイ!ゴメンゴメンやっちゃったゴメン!」

エリちゃん、怒りの勢いで指輪してた手でパンチしてしまったらしく赤ちゃん左眉のあたりをザックリと切ってしまった。マベストで言えば女セイバートゥースのブラッドラッシュ。2ターンの間流血を適用って感じ。

 

逃亡者⑦

赤ちゃん「で?」

かな「で?じゃないから。私とみく以外は許さない!他と付き合きあったら浮気って言ったよね?」

赤ちゃん「待って?勘違いしてない?エリちゃんとは付き合ってないけど(まだ)」

赤ちゃん「ね?エリちゃんと俺は付き合ってないよね?(まだ)」

エリ「う、うん。」(ここ何かを察する)

赤ちゃん「ほら、まだ何か問題ある?」

みく「じゃ、何でこの人〇〇君の家知ってるの?」

赤ちゃん「知ってたら問題あるの?誰か困るん?」

かな「この人、〇〇君のこと好きだって言ってたんだけど!」

赤ちゃん「好きだったら問題あるのかって!」

かな「あるしょ!そもそも2人で会ってるのおかしくない?」

赤ちゃん「自分のこと好きかもしれん人と2人で会ったら浮気ってことなの? こっちが好きかどうかの部分は無視ってこと? もし全然気持ちゼロでも浮気なの? 何かの用事だったとしても浮気? それおかしくない? 」

かな「え?」

赤ちゃん「え?じゃないから。そもそもエリちゃんはウチに来る用事があったからわかるけど2人は何しに来たの? 呼んでなくない? 会う時は3人だと2人が(かなとみくが)喧嘩になるから交互って約束したじゃん?  そこはどうなの? こっち責めるのおかしくない?」

 

赤ちゃんは強気で攻めつつエリちゃんのことを軽くうやむやにして会話を終わらそうとしていた…だが

 

エリ「ちょっと待って、私も〇〇君と付き合いたいから2人は別れてほしいんだけど。

みく「は?」

エリ「聞こなかった?」

みく「聞こえてた。」

エリ「私は2人みたいにどっちとも付き合うみたいなのは無理だし、やめてほしいの。3人で1人を分け合う?〇〇君はバイトもしてるんだから大変だと思うよ? だからね。 高校生のアタマでもわかるでしょ」

 

「別れてもらえる?  」

 

赤ちゃんも強引な方だがエリちゃんもそこそこ強引だった。

 

逃亡者⑥

その翌日、いかに他の女の子を切らずにエリちゃんと付き合うか丸一日考えていた。

なんだかんだ普通に隠しとけば大丈夫だろ!と安易な考えに至りバイトを終えて帰宅。

 

自転車をガレージ入れようと近づくと

ん…?

ガレージの影に誰か居る

しかも3人。

瞬間的に凄く嫌な雰囲気を感じ取った赤ちゃんは急いで自転車にまたがる。

 

エリ「待ってよ!」

 

その声と共に残りの2人もガレージの影から出てくる

エリちゃんは私服だが2人は見覚えのある制服を着ていた。 

かなちゃん&みくちゃんである

※「2人で何でも半分こ偏」参照(現在執筆中)

 

赤ちゃん「げっ」

 

これはマズい非常にマズい。

エリちゃんはそこまで怒ってる様子は無いが

かな&みくの2人は何も言わずとも完全に怒りのオーラを纏っている。 

とりあえず後のことを考えると家の前で揉めるのは賢くないので公園へと場所を移動させたのだった。

 

逃亡者⑤

一通りの行為を終えてから親に見られないように家から脱出。

公園のベンチで軽くトークして解散。その時の会話は覚えてないけどきっとしょーもない内容だったと思う。でも夜の公園だと話が盛り上がっちゃうよね。あるあるかな? 

それから少しバイトが忙しかったり他の女の子のターンが来てたりして1週間位会えてなかったんだけど急に

「渡すものがあるから5分だけ会いたい」

と電話で言われて少しだけ会う事に。

エリ「急にごめんね!」

赤ちゃん「突然電話来たからびっくりした!」

エリ「とりあえずこれ渡したくて!じゃ!帰るね!」

赤ちゃん「帰るの!?早っ!」 

そう言ってそのまま急ぎ足で帰ってしまった。

ちなみに渡されたのは可愛いクマの便箋だった。

(プーさんではない)

帰って見てみると中には手紙が4枚。

内容は

先に身体の関係持っちゃったけど正式に付き合って欲しいの!でも私は〇〇君にまだ言ってないことがある!とか〇〇君、他に女の影が強く見える!とかそうゆう感じのことだった。

赤ちゃん的には内容よりもこのご時世でギャルがメールを使わず手紙で告白してきたことの方が衝撃だった。これが今で言うギャップ萌えってやつでしょ。そうでしょ?

 

逃亡者④

その軽いキスから赤ちゃんはエリちゃんのことしか考えられなくなった。学校にいてもバイト中でも他の女の子といても。もうド金髪のことで頭いっぱい。 

次いつ会えるのか?そればっかりだった。

それと頭の片隅で未だにわからない「ワケあり」の意味。高校生の頭では想像し得る内容にも限界があった。「エイズとかな?」安易なものしか浮かばない。直接会って聞こうにも「ワケあり」の部分を聞き出そうとすれば千紗ちゃんがバラしたってことになっちゃうから聞けない。だから本人が言い出すのを待つしか無かった。

そしてとりあえず2人で会う約束をした。

色々我慢出来ないので赤ちゃんの実家で。

エリ「おじゃましますー✨」

流石にどう見ても同じ高校生に見えないエリちゃん。見られたら後で親に何を言われるかわからない。なので速攻で2階の自分の部屋に案内するし、速攻でベッドに押し倒す。こうゆうのは速ければ早いほど良い。時間をかける必要なんて無いのだ。早かれ遅かれどうせするんだから。聞きたいことは終わってから聞けば良い。高校生は我慢できない。早く出さないと次の分がすぐ溜まってしまう。そうなったら勿体ない。

そう。勿体ないのだ。