逃亡者⑪
バイトが終わり例の公園で待ち合わせ。
ベンチに座ってるエリちゃんを見つけて近付く
エリ「バイトお疲れ様!」
赤ちゃん「めちゃくちゃ久しぶりじゃん」
エリ「ごめんね!ホントに!」
赤ちゃん「急に連絡取れなくなったから千紗ちゃんにまで連絡したよ!そしたら会ってないからわからないんだけどって言われたからさー」
エリ「連絡したかったんだけど出来なかったんだよ!」
赤ちゃん「なんで?」
エリ「〇〇君のお母さんにしばらく連絡取らないように言われたんだよ!もちろん会うのも無し」
赤ちゃん「え!?そうなの?」
エリ「期限は昨日までね!だから今日は大丈夫!」
赤ちゃん「もう会えないもんだと思ってたよ!」
エリ「私も終わりかなーってちょっと思ってた!でも〇〇君は彼女たくさんいるから大丈夫でしょ?お母さんに全部聞いた🥱」
赤ちゃん「えっ!?笑」
エリ「あっ、ちょっと意地悪しちゃったね!」
そんな感じで軽く談笑してた。
ふとエリちゃんの携帯が光っていることに気付く。
着信中 「マサヨシ」
赤ちゃん「携帯光ってるよ?電話じゃない?」
エリ「あっ、うん。大丈夫。」
赤ちゃん「誰かわからないけど緊急だったらアレだから出たら?俺どっか行くよ?」
エリ「大丈夫大丈夫!」
絶対大丈夫じゃないだろ。纏ってる空気感がおかしくなっとる。
そして着信切れたと思ったら速攻メールが来てる。
赤ちゃん「メール来てるよ?見たら?」
エリ「…」
赤ちゃん「どしたん?俺が見ようか?笑」
エリ「………たのし……のに…」
赤ちゃん「ん?」
エリ「…せっかく…しい…なのに…」
急に凄く小さな声になったのでちゃんと聞き取れない
赤ちゃん「全然聞こえないよ!!!」
エリ「…」
赤ちゃん「?」
エリ「せっかく楽しい気分だったのになぁー!あのさ、もし私がどんな女でも〇〇君は変わらずに接してくれる?」
赤ちゃん「どうゆう意味? 例えばびっくりするほどすごい金持ちとかだったらめちゃくちゃ接し方変わると思うよ!笑 」
エリ「ウケる笑!正直だね!笑」
赤ちゃん「どうゆうのか聞いてみないとわかんないよ!」
エリ「私ね、実は彼氏がヤクザで200万ちょっとお金持ち逃げして埼玉から逃げて来たんだよね。」
赤ちゃん「ん!? 作り話にしてはあんまり笑うとこないよ?」
エリ「全部本当。まだ他にもあるよ」
赤ちゃん「急に何も聞きたくなくなっちゃったな」
その後、彼氏と写ったプリクラを見せられた。
(プリクラと言ってもかなり古い機種なので出来の良い証明写真程度のクオリティだった)
そこにはKONISHIKIを小ぶりにしたような男が無表情で写っていた。
3枚見せられたが3枚とも同じ無表情だった。
(今考えると少しくらい笑ってやれよと思う赤ちゃんであった。)